原価管理システムとは?建設業の経営を支える!基本機能や選び方のポイントを解説
人材不足や資材の高騰など環境が厳しくなる中、建設業において原価管理を行い、利益を確保することは必須です。しかし、「手作業での原価管理は手間で時間がかかる」「複数工事があり、原価計算が複雑」「Excelでの原価管理と何が違う?」とお悩みの方も多いのではないでしょうか。
原価管理システムは、その名の通り原価の管理や計算を行うシステムのこと。この記事では、原価管理システムとは?どんなことができる?などを解説します!
原価管理システムとは
原価管理システムとは、原価の計算、作成した実行予算と実績の比較、利益や損失の把握などを効率的に行うためのシステムです。経営判断に必要なシミュレーションを、入力した原価データから行えるのも特徴です。工事が終わってみたら利益がなかった…なんて事態を避けることもできます。
また一度入力したデータは原価管理だけでなく、会計ソフトや勤怠管理ソフト、経費精算ソフトなどに連携できるため、手作業での原価計算よりも処理が楽になります。
一口に原価管理システムといっても様々な特徴があるので、特に建設業のような独自の商習慣がある業界は、建設業に特化した原価管理システムを導入するのがおすすめです。
原価管理システムの基本機能
どんな機能があるかはシステムにもよりますが、原価管理システムに基本的に搭載されている機能を紹介します。
原価計算機能
必要な項目を入力すれば、原価を計算してコスト算出してくれる機能です。原価を正確に把握することで、どの部分のコスト削減が必要か判断できるようになります。
建設業において、原価とは工事にかかるすべての費用です。資材はもちろん、従業員の時給などもあらかじめ登録しておくことでかかる原価を計算してくれます。
損益計算機能
部門別・発注者別・担当者別・工事別に仕入伝票を集計し原価と利益が把握できる機能です。原価と利益の把握ができると、予算編成が楽に・早くできるようになります。
原価差異分析機能
標準原価(予算上の原価)と実際原価を比較・分析する機能です。どの項目でどの程度、予算からの乖離があるのか、その発生の原因は何かを分析することで改善策を検討できます。
原価配賦計算機能
配賦(はいふ)計算機能は、部署を横断する共通の経費や労務費を各部門・工事に配賦することで、より厳密な工事別利益を把握できる機能です。
企業内に配賦の基準が複数ある場合は、配賦基準を複数設定できる原価管理システムを選ぶことがポイントです。
システム連携機能
財務会計システムや勤怠管理システム、経費精算システムなどとデータ連携する機能です。データ連携することで、何度も同じ数値を記入する手間が省けるため効率的な作業を実現できます。
原価管理システムを選ぶポイント
業種・業界にあっているか
原価管理システムの中には、業界に特化したものがあります。特に、建設業は会計処理方法や原価の計算方法に独自の商習慣があるため、できれば建設業に特化した原価管理システムを選ぶことをおすすめします。
利用形態の違い
原価管理システムには、主にクラウド型とオンプレミス型があります。
場所を問わず使えて、バックアップやセキュリティ面も安心な「クラウド型」と、PCにソフトをダウンロードしインターネット環境がなくても利用できる「オンプレミス型」のどちらが自社に合っているかも検討しましょう。
クラウド型は月額などのサブスクリプション、オンプレミス型は買い切りの場合が多く、料金の支払い方法で検討するのも一つの手です。
全社の業務を一元的に管理できるか
見積作成から予算や発注管理、支払処理など、営業部から経理担当まで全社の業務を管理できる機能をもっているか確認しておきましょう。
全社で原価管理をシステム化することで、より効率化につながります。
自社に必要な機能が備わっているか
原価管理システムは、基本機能の他にシステムごとの独自機能があります。自社の業務に必要な機能が備わっているかは重要なポイントです。
逆に、機能が多すぎて使いこなせないともったいないので、必要な機能のみ取り入れられるオプション選択式の原価管理システムだと扱いやすいですね。
サポートサービスが整っているか
システムを最初から使いこなすのは至難の業です。全社で使用するシステムのため、要件確認や業務フローの整理などの導入前の分析サポートがあるとシステム化しやすいでしょう。
導入後にも電話やメールですぐに対応してくれるサポートサービスがあると安心です。
原価管理システムの導入で業務を効率化
建設業では、法改正が相次ぎ業務の効率化が求められています。また、人材不足や資材の高騰により原価の把握と利益の確保が必須となっています。
この記事では、原価管理システムの概要や機能をご紹介しました。原価管理システムを導入すれば、原価計算や損益計算、データ連携なども簡単になります。
ぜひ「自社に合う」原価管理システムという目線で検討してみてください。
▽原価管理を始める前に役立つ記事はこちら!