酸化ガリウムパワーデバイス
2019.11.29
原価管理アドバイザーのつぶやき
IT業界は大きく分けると三つの業界に分かれていると思います。一つはハードウエア業界、もう一つはネットワーク業界、そして最後に我々も属しているソフトウェア業界、そして最近、ソフトウェア業界はクラウド、ネットワーク業界は5Gとそれぞれトレンドを得てユーザビリティを高める努力を進めております。その中で今回はハードウェア業界の肝、半導体についてご紹介したいと思います。それはズバリ、酸化ガリウムパワーデバイスです。酸化ガリウムは2002年頃にLEDの材料として用いられていました。その後、情報通信研究機構、京都大学、タムラ製作所のそれぞれ、産学官別々に酸化ガリウムの半導体応用を研究していたチームが2010年に連携を取り、2011年にはベンチャー企業の設立、2015年には、オン抵抗が炭化ケイ素よりも優れたショットキーバリアダイオードを試作し、京都大学で開催された第1回の酸化ガリウム研究の国際学会で発表されたました。これは酸化ガリウムがそれまで最も優れていた炭化ケイ素パワー半導体よりも高機能の半導体になる可能性を示唆するものでした。その後急速に研究がすすみ、パワーデバイス量産に秒読み態勢となっているようです。性能は現在のシリコン半導体の3000倍にもなるそうです。コストは現在のシリコン半導体に近いところまで落とせる可能性があるとのこと、しかもそれがALL JAPANで進んでいるようです。「クラウド」で「5G」で「酸化ガリウムパワーデバイス」ってなんだか数年先が楽しみになりませんか。