顧客満足と顧客価値
製品やサービスの標準価格の設定、決定は難しいといつも思います。
例えば、製造原価が5,000万円かかり、販売コストが5,000万円かかるのであれば、合わせて1億円、そしてこれを1,000社に販売するのであれば、1社あたり10万円で提供することになりますが、顧客は5万円でないと買ってくれないだろうから、どうしようか?と決めかねることがあります。当社の企業理念の顧客満足には、「値する対価を求めなくてはならない」とし、高くても安くてもダメで価格に見合った製品サービスを提供することこそが大切であるとしています。何を持って価格を決めれば良いかは非常に迷うところです。
かなり前の話ですが、あるソフトベンダーさんがERP製品を出すときに、付加価値の高い製品ならば通常の製品の倍以上の値付けを考えることに驚きました。理由を聞くと、販売量が通常の製品よりも少ない事、そしてサポートにも力をかけないといけないこと、また、バージョンアップにも通常製品同様対応しなければいけないことなどを考慮すると、お客様がいくらで買ってくれるかではなく、しっかりとしたサポートや製品メンテナンスを行うためのコストを考えると、高くしないと維持できない事、そして付加価値の高い製品は、高くても買ってくれるそんな特別な機能を有した製品であることが理由でした。
私は経営者の立場で、社内DX化に向けた製品購入の社内プレゼンを皆さんより受けて購入決定をしていますが、価格の安さでなく、効果の高さを重視しています。提案してきた担当者がそれを見極めてくれているか?比較した製品と比べて何が良いと感じたのか?どのようなメリットがあるのか?を見ています。
ほとんどの経営者の視点は、同じ様に製品の安さではなく、導入する事でメリットが出せるかをまず考えると思います。価格は安くても使えなかったら何の意味もありません。我々メーカーはこれを意識して自信を持って選んでいただける製品づくり、サポート、提案に力点を置き、お客様が仮に高くても選んでいただける、また、価格に見合ったサービスを提供する、それを意識することを大切にしたいと思います。