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凄い鉄工所と”管理はしない”の意味

2022.10.24
社長ブログ

先日、名古屋投資育成さんの北陸地区の会合に初めて参加しました。基調講演として京都府宇治市のHILLTOPという会社の山本会長のお話がありました。この会社は昔は量産を安い単価で汗まみれで毎日仕事をして納品する典型的な下請鉄工所でした。会長は子供の頃、これが嫌でなんとかしようと入社後、量産ものを作らない、職人をつくらない、決まり決まったルーチン作業はやらない、という事を目標に頑張り、結果として今では24時間自動化で短納期で1本のネジでも納品できる仕組みを作ったサクセスストーリーでした。

30年ほど前に当時、今の会長が若かった頃に、下請け会社としてやってきた量産受注を一切やめるという英断をします。そして1本の特殊なネジを作って欲しい、そのためにお金に糸目をつけないという顧客からの依頼を受け、そのニーズ、たくさんの顧客を回る中で多いことに気つきます。これを行うために最初は、人力で何とか社員のみんなと頑張って、受注・納品していきます

しかし、やってもやっても利益が上がらない。そこで、受注してきたパターンを研究し、これを細かく分類しデータベース化します。これにより顧客から問い合わせが来た時に、データベースを検索する事で、どの材料が必要でどんな機械で作り、どの図面を使えば良いか、また、作業する時の注意点は何か?などを全て、データ化ことで今年入社してきた新人であろうが属人化することなく作ることができる、そんな仕組みを完成させます。今では、これを完全に自動化し、無人化できるところまで作り上げているということでした。ですから、職人は必要ないですし、ルーチン作業もありません。1個の発注でも短納期で製造してくるメーカーとして他との差別化が図れるまでに成長しています。また、驚いたのは、この会長は管理することが大嫌いで、会社として管理することは極力していない。それぞれが考える力を大切にしている。ということだったので、基調講演の後に直接お話をお聞きしました。

「管理というと製造業は原価管理が非常に大切かと思いますが、嫌いという管理はしていないんですか?」とお聞きすると、「原価管理は重要です。ですが管理するのではなく、自動的に管理できる仕組みを作り上げています。データベースに材料や工賃の原価が全て入っています。ですから、受注した時に利益は分かります」という明快な言葉が返ってきました。山本会長は、データベース化作りは簡単ではありませんが、一生懸命に真剣に考えることで必ずできるはずです。と言われました。同業他社がやらない事をやり続け、それにさらに一生懸命に考える仕組みが加わる事で最強の会社になっていくのだと改めて感じました。

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