旧暦2033年問題
皆さんは六曜をご存知でしょうか。
六曜とは、暦に記載される日時・方位などの吉凶、その日の運勢などの事項を表す暦注の一つで、先勝・友引・先負・仏滅・大安・赤口の6種の曜があります。日本では最もメジャーな暦注であり、一般のカレンダーや手帳にも記載されているものが多く存在します。そして、曜にはそれぞれ意味があり、冠婚葬祭の儀式は六曜によって、その日取りを決定する事が一般的です。例を挙げると、友引は「友を冥土に引き寄せる」という意味を持っており、友引の日には葬儀が避けられる事が多いという事があります。また、仏滅は「仏も滅するような大凶日」という意味を持っており、六曜の中で最も凶の日とされ、この日に結婚式を挙げる人は少ないという事もあります。
六曜は旧暦によって決められており、日本は旧暦に天保暦を使用しています。天保暦の日付の確定には、「新月と新月の間を1か月とする」、「春分のある月が2月、夏至は5月、秋分が8月、冬至は11月とする。」というようなルールが複数存在します。しかし、このルールを正確に適用すると、2033年の秋分を含む8月と、冬至を含む11月の間に期間が1ヶ月しかなく、9月の次が11月となってしまいます。この問題の事を「旧暦2033年問題」と呼び、社団法人・日本カレンダー暦文化振興協会が学術シンポジウムを開催し、対策案についての検討などが行われています。
この問題によって、混乱が予想されているのが葬儀の業界になります。先の例で述べましたように、友引には葬儀が避けられている事が多く、寺院関係者は葬儀が無い友引に休日を当てている人も多いのです。もし、カレンダーによって六曜がバラバラに割り振られるような事があれば、火葬場、葬儀業者、僧侶の日程が合わず、葬儀をスムーズに執り行う事が出来ないといった事態も考えられます。
2033年頃は、団塊の世代が80代後半を迎える年でもあります。「穏やかな死」のためにも、私たちも無関心ではいられないでしょう。